平成11年9月27日

高知工科大学 吉井稔雄

SOUND-expressの検証(verification)

 

検証マニュアルにしたがって実施したSOUND-express(高速道路版)の検証結果を報告する。

なお、全てのケースで、

 スキャンインターバル:1秒

 1パケットの車両台数:1台

 自由流での速度:60km/h

とした。

 

1.車両の発生

 マニュアル図11のネットワーク(リンク長は5000m)にて検証を行った。

 

マニュアル1)-A)

 正確に車両がされていることを確認した。

図1 「車両の発生」に関する検証結果その1

 

マニュアル1)-E)

 SOUNDでは、1スキャンあたり1パケット以下の車両の発生を想定しているため、1スキャンあたり4400/3600パケットが発生するマニュアルの交通状況に対しては、図2に示すように、正確に交通量を発生させることが出来なかった。SOUNDでは、パケットサイズを大きくするか、スキャンインターバルを短くして対応することが可能であるが、ここでは、1スキャンあたり複数のパケットが発生出来るようにプログラムを改良して、検証を実施した。その検証結果が図3である。改良後(図3)では正確に交通がネットワークに流入していることが確認された。

図2 「車両の発生」に関する検証結果その2(改良前)

図3 「車両の発生」に関する検証結果その3(改良後)

 

2.ボトルネック容量

 

マニュアル2)-@)

 SOUNDではリンク内にボトルネックを設けることが出来ないため、図4に示すようなネットワークとして、検証を行った。図5は、ボトルネック容量を800,1000,1200[veh/h]に設定した場合の、発生量とLink2下流端での交通量を示したものである。これにより、ボトルネック容量が正確に再現されていることが確認された。

図4 ボトルネック容量の検証に用いたネットワーク

図5 「ボトルネック容量」に関する検証結果

 

3.渋滞の延伸と解消およびショックウェーブの伝播速度

 

マニュアル3)-@)

 マニュアル図20のネットワークと交通量に従い、リンク1〜5には図6に示すQK関係を設定して、シミュレーションを実行し、検証を行った。ここでは、ボトルネック容量に1000台/時を用いたときの結果を示す。

 

図6 検証に用いたQK関係と容量が1000台/時の時のショックウェーブの伝播速度

 

 発生交通量と各リンクから流出する累積の交通量を図7に、1分単位の各リンクの流出交通量を図8に示す。図8中のA,B,Cは、それぞれリンク5,4,3で自由流から渋滞流となった時刻を示し、a,b,cはそれぞれリンク5,4,3が渋滞流から自由流になった時刻を示している。また、図9は、ショックウェーブ理論によって導かれる(マニュアル図21参照)渋滞長を示したグラフ上に、シミュレーション検証結果による渋滞開始時刻(図8中A,B,C)、および終了時刻(図8中a,b,c)をプロットしたものである。さらに、ボトルネック容量が800台/時の場合に得られた同様の図を図10に示す。これらの図より、シミュレーションによって再現される渋滞は、ショックウェーブ理論による延伸と比較して多少の相違はあるものの、概ね理論通りに再現されていることが確認できる。

 

図7 「渋滞の延伸と解消およびショックウェーブの伝播速度」に関する検証結果その1

(ボトルネック容量:1000台/時)

 

図8 「渋滞の延伸と解消およびショックウェーブの伝播速度」に関する検証結果その2

(ボトルネック容量:1000台/時)

 

図9 「渋滞の延伸と解消およびショックウェーブの伝播速度」に関する検証結果その3

(ボトルネック容量:1000台/時)

図10 「渋滞の延伸と解消およびショックウェーブの伝播速度」に関する検証結果その4

(ボトルネック容量:800台/時)

 

4.合分流部の合分流比

 

マニュアル4)-合流-A)

 マニュアル図25に示すネットワークで、合流比を3:7および5:5に設定して、検証を行った結果を図11に示す。設定した比率にしたがって合流が再現されていることが確認できる。また、合流後の容量についても設定した流率(2200台/時)が確保されていることを確認した。

図11 「合流部の容量と合流比」に関する検証結果その1

 

マニュアル4)-合流-C)

 マニュアル4)-C)にしたがって、合流の交通量を検証した結果を表1に示す。斜体太字が渋滞していることを示し、これはマニュアル表1,2と一致しており、100%正確に合流挙動を再現しているとはいえないが、ほぼ正確に合流部の合流比率ならびに容量が達成されていることが確認できる。

表1 合流部における合流挙動の検証結果

                                 単位[台/時]

マニュアル4)-分流-A)

 マニュアル図26に示すネットワークで、マニュアル4)-Aにしたがって、分流挙動を検証した結果を表2に示す。斜体太字が渋滞していることを示し、これはマニュアル表3(マニュアルの2000台、5:5のセルは渋滞)と一致しており、100%正確に分流挙動を再現しているとはいえず、多少の誤差は生じているものの、ほぼ正確に分流部の挙動が再現されていることが確認できる。

 

表1 合流部における合流挙動の検証結果

                    単位[台/時]

 

 

6.経路選択

 

 

図13-1 検証に用いたネットワーク

図13-2 検証に用いたQ−K関係

 

図13-3 分流ノードBにおける経路別の累積交通量の比較(θ=∞)

 

 

13-4 分流ノードBにおける経路別の累積交通量の比較(θ=0.001)