広域道路ネットワークシミュレーション
SOUND/A-21
モデル検証(verification)報告書
平成13年2月
株式会社 アイ・トランスポート・ラボ
広域道路ネットワークシミュレーションSOUND/A-21
モデル検証(verification)ドキュメント
目 次
2.1.1 パケットサイズ1台+乗用車換算係数1.0+スキャン1秒の場合. 9
2.1.2 パケットサイズ3台+乗用車換算係数1.0+スキャン1秒の場合. 10
2.1.3 パケットサイズ3台+乗用車換算係数1.0+スキャン3秒の場合. 11
2.1.4 パケットサイズ1台+乗用車換算係数1.7+スキャン1秒の場合. 11
2.1.5 パケットサイズ3台+乗用車換算係数1.7+スキャン1秒の場合. 12
2.1.6 パケットサイズ3台+乗用車換算係数1.7+スキャン3秒の場合. 13
2.2.1 パケットサイズ1台+乗用車換算係数1.0+スキャン1秒の場合. 15
2.2.2 パケットサイズ3台+乗用車換算係数1.0+スキャン1秒の場合. 19
2.2.3 パケットサイズ3台+乗用車換算係数1.0+スキャン3秒の場合. 24
3.1.1 ボトルネック容量が800[pcu/hr]の場合. 44
3.1.2 ボトルネック容量が1000[pcu/hr]の場合. 45
3.1.3 ボトルネック容量が1200[pcu/hr]の場合. 47
4.2.1 需要合計が1200[pcu/hr]の場合. 54
4.2.2 需要合計が2000[pcu/hr]の場合. 55
図 一 覧
図3:リンク上流端での累積通過交通量グラフ(パケット1台+スキャン1秒)2
図4:リンク上流端での累積通過交通量グラフ(パケット3台+スキャン1秒)3
図5:リンク上流端での累積通過交通量グラフ(パケット3台+スキャン1秒)4
図6:リンク流入端でのヘッドウェイ分布(パケット1台,スキャン1秒)〜到着需要500(左上),1000(右上),2000(左下)5
図7:リンク流入端でのヘッドウェイ分布(パケット3台,スキャン1秒)〜到着需要500(左上),1000(右上),2000(左下)7
図8:リンク流入端でのヘッドウェイ分布(パケット3台,スキャン3秒)〜到着需要500(左上),1000(右上),2000(左下)7
図10:累積通過交通量グラフ(パケット1台,小型車,スキャン1秒)10
図11:累積通過交通量グラフ(パケット3台,小型車,スキャン1秒)11
図12:累積通過交通量グラフ(パケット3台,小型車,スキャン3秒)11
図13:累積通過交通量グラフ(パケット1台,乗用車換算係数1.7,スキャン1秒)12
図14:累積通過交通量グラフ(パケット3台,乗用車換算係数1.7,スキャン1秒)12
図15:累積通過交通量グラフ(パケット3台,乗用車換算係数1.7,スキャン3秒)13
図16:累積通過交通量グラフ(パケット1台,小型車,スキャン10秒)14
図18:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]15
図19:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]16
図20:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]16
図21:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]17
図22:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]17
図23:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]18
図24:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]18
図25:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]19
図26:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]19
図27:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]20
図28:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]20
図29:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]21
図30:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]21
図31:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]22
図32:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]22
図33:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]23
図34:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]23
図35:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]24
図36:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]25
図37:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]25
図38:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]26
図39:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]26
図40:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]27
図41:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]27
図42:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]28
図43:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]28
図44:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]29
図45:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]29
図46:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]30
図47:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]30
図48:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]31
図49:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]31
図50:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]32
図51:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]32
図52:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]33
図53:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]33
図54:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]34
図55:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]34
図56:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]35
図57:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]35
図58:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]36
図59:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]36
図60:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]37
図61:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]37
図62:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]38
図63:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]38
図64:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]39
図65:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]39
図66:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]40
図67:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]40
図68:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]41
図69:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]41
図70:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]42
図71:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]42
図73:SOUNDのフローモデル状態値のQ-K平面上プロット. 44
図74:ボトルネック容量が800[pcu/hr]でのショックウェーブ伝播速度. 44
図75:ボトルネック容量が800[pcu/hr]での交通状態遷移図とリンク流出交通量累積曲線 45
図76:ボトルネック容量が1000[pcu/hr]でのショックウェーブ伝播速度. 46
図77:ボトルネック容量が1000[pcu/hr]での交通状態遷移図とリンク流出交通量累積曲線 46
図78:ボトルネック容量が1200[pcu/hr]でのショックウェーブ伝播速度. 47
図79:ボトルネック容量が1200[pcu/hr]での交通状態遷移図とリンク流出交通量累積曲線 48
図81:需要合計2000[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比10%の場合. 50
図82:需要合計2000[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比30%の場合. 51
図83:需要合計2000[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比50%の場合. 51
図84:需要合計2500[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比10%の場合. 52
図85:需要合計2500[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比30%の場合. 52
図86:需要合計2500[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比50%の場合. 53
図88:需要合計1200[pcu/hr],aへの需要構成比10%の場合. 54
図89:需要合計1200[pcu/hr],aへの需要構成比30%の場合. 55
図90:需要合計1200[pcu/hr],aへの需要構成比50%の場合. 55
図91:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比10%の場合. 56
図92:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比30%の場合. 57
図93:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%の場合. 57
図94:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%,18秒ごとの場合. 58
図95:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%,1時間ごとの場合. 59
図96:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%,一様到着,付加車線ありの場合 60
図97:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%,ランダム到着,付加車線ありの場合 60
図99:サイクル長120秒,有効青40秒の場合の右折容量(一様流)62
図100:サイクル長120秒,有効青60秒の場合の右折容量(一様流)63
図101:サイクル長120秒,有効青80秒の場合の右折容量(一様流)63
図103:DUEの理論値(point-queueとして算出)65
図104:DUOの理論値(point-queueとして算出)66
図105:最小コスト選択モデルで経路情報更新間隔が1分の場合. 67
図106:最小コスト選択モデルで経路情報更新間隔が1秒の場合. 67
図107:ロジットモデルの感度パラメータの違いによる選択確率の変化. 68
表 一 覧
表5:需要の設定と合流枝の渋滞状況(渋滞時合流比が1:1の場合)50
表11:経路選択モデルの検証での経路選択モデルパラメータ. 64
SOUND/A-21では,交通需要として設定した数と同数の車両を発生させる.これを検証するため,図1に示される3種類のデータ設定において,2時間のシミュレーションを行い,リンク上流端での通過交通量を観測した.いずれの設定でも発生需要はリンク容量を超えない.

図1:交通量の発生検証用データ設定(1)
また,リンク容量を超えた需要が与えられた場合,超過需要は一時的に発生点に蓄積されるが,やがてはネットワークに流入できるため,長い時間で見た場合の総発生交通量は,与えた需要と等しくなるべきである.このことの検証するため,図2に示すデータ設定で2時間のシミュレーションを行い,リンク上流端での通過交通量を観測した.

図2:交通量の発生検証用データ設定(2)
図3は上記の4種類のデータ設定において,パケットサイズを1台,スキャン時間を1秒としてシミュレーションした結果より,リンク上流端での累積通過交通量を1秒ごとにプロットして,グラフにしたものである.参考のため,2時間経過後の累積通過台数を図中に示すとともに,図2の設定については,与えた需要パターンを併記した.
グラフより,いずれの場合でも設定した需要と同数の車両が発生していることがわかる.また,需要は1時間単位で与えているが,累積通過交通量が直線となっていることから,常に等しいレートで発生していることがわかる.

図3:リンク上流端での累積通過交通量グラフ(パケット1台+スキャン1秒)
図4は上記の4種類のデータ設定において,パケットサイズを3台,スキャン時間を1秒としてシミュレーションした結果より,リンク上流端での累積通過交通量を1秒ごとにプロットして,グラフにしたものである.参考のため,2時間経過後の累積通過台数を図中に示すとともに,図2の設定については,与えた需要パターンを併記した.
グラフより,いずれの場合でも設定した需要とほぼ同数の車両が発生していることがわかる.数台の違いはパケットサイズの離散化誤差である.また,需要は1時間単位で与えているが,累積通過交通量が直線となっていることから,常に等しいレートで発生していることがわかる.

図4:リンク上流端での累積通過交通量グラフ(パケット3台+スキャン1秒)
図5は上記の4種類のデータ設定において,パケットサイズを3台,スキャン時間を3秒としてシミュレーションした結果より,リンク上流端での累積通過交通量を3秒ごとにプロットして,グラフにしたものである.参考のため,2時間経過後の累積通過台数を図中に示すとともに,図2の設定については,与えた需要パターンを併記した.
グラフより,いずれの場合でも設定した需要とほぼ同数の車両が発生していることがわかる.数台の違いはパケットサイズの離散化誤差である.また,需要は1時間単位で与えているが,累積通過交通量が直線となっていることから,常に等しいレートで発生していることがわかる.

図5:リンク上流端での累積通過交通量グラフ(パケット3台+スキャン1秒)
SOUND/A-21はディフォルトでは一様発生を仮定する.このことを検証するため,図1でのデータ設定でシミュレーションし,リンク上流端での1秒ごとの通過交通量から,各車両のヘッドウェイを求めた.なお,1秒間に複数の車両が到着した場合,はじめの1台をのぞく残りについては,ヘッドウェイを0秒としている.パケットサイズが1台より大きい場合は,パケットの先頭車両のみ直前パケットとのヘッドウェイを求め,残りについては0秒とした.
図6は,各需要レベル毎のヘッドウェイ出現頻度分布をグラフにしたものである.SOUND/A-21ではスキャン時間(このケースでは1秒)毎の発生台数を計算するため,ヘッドウェイも離散化される.したがって,設定した需要レベルでのスキャン時間内でのレートと,観測されたヘッドウェイ分布の期待値とが一致すれば,一様到着が検証されたこととなる.
例えば到着需要が500[pcu/hr]の場合では,
発生需要の1秒あたりの期待値:
500 [pcu/hr]÷3600=0.139 [pcu/sec]
観測ヘッドウェイの期待値:
(500[pcu/hr]×2[hr])÷(1[sec]×1+4×3+7×784+8×212)=0.139
となり,両者が等しいことがわかる.



図6:リンク流入端でのヘッドウェイ分布(パケット1台,スキャン1秒)〜到着需要500(左上),1000(右上),2000(左下)
図7は,パケット3台の場合に,各需要レベル毎のヘッドウェイ出現頻度分布をグラフにしたものである.この場合0秒以外のヘッドウェイで,累積交通量が3台ずつ増えるので,
例えば到着需要が500[pcu/hr]の場合では,
発生需要の1秒あたりの期待値:
500 [pcu/hr]÷3600=0.139 [pcu/sec]
観測ヘッドウェイの期待値:
(500[pcu/hr]×2[hr])÷{(1[sec]×1+11×3+21×104+22×226)×3}=0.139
となり,両者が等しいため,一様到着が実現されていることが検証される.



図7:リンク流入端でのヘッドウェイ分布(パケット3台,スキャン1秒)〜到着需要500(左上),1000(右上),2000(左下)
図8はパケットサイズを3台,スキャン時間を3秒としたときの,ヘッドウェイ分布である.同じパケットに属する3台のうち,先頭以外の2台のヘッドウェイは必ず0〜1秒にカウントされているので,そのヘッドウェイは無視すると,前節と同様に一様到着が実現されていることがわかる.



図8:リンク流入端でのヘッドウェイ分布(パケット3台,スキャン3秒)〜到着需要500(左上),1000(右上),2000(左下)
ここでは,図9に示す設定で単路部ボトルネック容量が入力したとおりに再現されているかどうかを検証する.下流側リンクの本線容量を800,1000,1200[pcu/hr]の3段階に変えて,上流側リンクの流出交通量を記録した.検証に際しては,開始時にリンク上にある程度待ち行列ができるよう,プレランの時間を数分とっている.また,パケットサイズと乗用車換算係数,およびスキャン時間を変えながら検証を行い,これらが容量再現性に影響するかどうかを評価する.その他のSOUNDに関するパラメータを表1に示す.

図9:単路部ボトルネック容量検証での設定
表1:単路部ボトルネック容量検証でのリンクパラメータ
|
パラメータ名 |
上流リンク |
下流リンク |
|
リンク長[m] |
100 |
100 |
|
車線数 |
1 |
1 |
|
本線容量[pcu/hr] |
2200 |
800〜1200 |
|
ジャム密度[pcu/km] |
120 |
120 |
|
自由流速度[km/hr] |
36 |
36 |
|
直進飽和交通流率[pcu/G1hr] |
1800 |
1800 |
図10はパケットサイズを1台,乗用車換算係数を1.0,スキャンを1秒とした場合の,シミュレーション結果である.それぞれのボトルネック容量ごとに台数ベースとpcuベースでの累積交通量を時間を追ってグラフ化している.また,1時間後の通過交通量をグラフ右に記入している.
結果より,それぞれのボトルネック容量の設定で1時間後の通過交通量が800,997,1199 [pcu/hr]となっていることから,明らかに,ボトルネック容量を再現している.また台数とpcuも当然ながら一致している.

図10:累積通過交通量グラフ(パケット1台,小型車,スキャン1秒)
図11はパケットサイズを3台,乗用車換算係数を1.0,スキャンを1秒とした場合のシミュレーション結果である.1時間後の通過交通量が,それぞれのボトルネック容量に対して,801,996,1200 [pcu/hr]となっており,パケットサイズを変えてもボトルネック容量が再現されていることが示されている.

図11:累積通過交通量グラフ(パケット3台,小型車,スキャン1秒)
図12はパケットサイズを3台,乗用車換算係数を1.0,スキャンを3秒とした場合のシミュレーション結果である.1時間後の通過交通量が,それぞれのボトルネック容量に対して,798,999,1200 [pcu/hr]となっており,スキャン時間を変えてもボトルネック容量が再現されていることが示されている.

図12:累積通過交通量グラフ(パケット3台,小型車,スキャン3秒)
図13はパケットサイズを1台,乗用車換算係数を1.7,スキャンを1秒とした場合のシミュレーション結果である.1時間後の通過交通量が,それぞれのボトルネック容量に対して,799,997.9,1198.5 [pcu/hr] となっており,乗用車換算係数を変えてもボトルネック容量が再現されていることが示されている.

図13:累積通過交通量グラフ(パケット1台,乗用車換算係数1.7,スキャン1秒)
図14はパケットサイズを3台,乗用車換算係数を1.7,スキャンを1秒とした場合のシミュレーション結果である.1時間後の通過交通量が,それぞれのボトルネック容量に対して,795.6,999.6,1198.5 [pcu/hr] となっており,スキャン時間を変えてもボトルネック容量が再現されていることが示されている.

図14:累積通過交通量グラフ(パケット3台,乗用車換算係数1.7,スキャン1秒)
図15はパケットサイズを3台,乗用車換算係数を1.7,スキャンを3秒とした場合のシミュレーション結果である.1時間後の通過交通量が,それぞれのボトルネック容量に対して,795.6,999.6,1198.5 [pcu/hr] となっており,スキャン時間を変えてもボトルネック容量が再現されていることが示されている.

図15:累積通過交通量グラフ(パケット3台,乗用車換算係数1.7,スキャン3秒)
SOUNDでは,スキャン時間とリンクパラメータには制約関係がある.すなわち,スキャン時間の間に自由流速度で進む距離よりも短いリンク長としたときに,再現される遅れ時間が実際と異なってしまうというものである.ここでは上流リンク長が100m,自由流速度が36km/hr(=10m/s)と設定しているので,スキャン時間は最大で10秒となる.
図16はスキャン時間を上限値である10秒とした場合の,ボトルネック容量検証結果であるが,1時間の通過交通量がそれぞれ800,1000,1200[pcu/hr]となっており,容量が再現されていることが示されている.

図16:累積通過交通量グラフ(パケット1台,小型車,スキャン10秒)
SOUND/A-21では,リンク本線部の容量と下流端での進行方向別飽和交通流率を区別して設定できる.ここでは,図17に示す設定で下流端飽和交通流率の検証を行う.検証に際しては,パケットサイズ,乗用車換算係数,スキャン時間を変えながら,5サイクル分の上流リンクからの流出交通量を,3秒ごとに記録した.表2にここでのリンクパラメータ設定を示す.

図17:リンク下流端飽和交通流率検証の設定
表2:飽和交通流率検証でのリンクパラメータ
|
パラメータ名 |
上流リンク |
下流リンク |
|
リンク長[m] |
100 |
100 |
|
車線数 |
1 |
1 |
|
本線容量[pcu/hr] |
1800 |
1800 |
|
ジャム密度[pcu/km] |
120 |
120 |
|
自由流速度[km/hr] |
36 |
36 |
|
直進飽和交通流率[pcu/G1hr] |
1400〜1800 |
1800 |
図18,図19,図20は,パケットサイズを1台,乗用車換算係数を1.0,スキャン時間を1秒,需要を600[pcu/hr]とした場合に,それぞれ飽和交通流率を1400,1600,1800[pcu/G1hr]と変えてシミュレーションを行い,リンク流出累積交通量の5サイクル分をサンプルとしてプロットしたグラフである.また,理論値での流出パターンを破線で,信号現示をグラフ上端の四角の色で併記している.
SOUNDのフローモデルでは,発進遅れを考慮しておらず,青時間の始まりとともに飽和交通流率で流出する.そのため,有効青時間を確保する必要から,黄色現示となると同時に,流出を止めている.これは,各ケースとも青現示開始直後から飽和交通流での理論値に沿って流出していき,黄色現示開始以降は流出がないことから,説明される.特に飽和交通流率が1400[pcu/G1hr]の場合は,需要の容量比が0.93でほぼ飽和状態なので,黄色現示となるまで,飽和交通流率での流出が続き,黄色現示になると停止する様子が顕れている.

図18:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図19:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図20:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
図21,図22,図23は,パケットサイズを1台,乗用車換算係数を1.0,スキャン時間を1秒,需要を800[pcu/hr]とした場合に,同様にそれぞれ飽和交通流率を1400,1600,1800[pcu/G1hr]と変えてシミュレーションを行ったグラフである.グラフから,各ケースとも青現示開始直後から飽和交通流での理論値に沿って流出していく様子が読みとれる.

図21:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図22:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図23:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
図24,図25,図26は,パケットサイズを1台,乗用車換算係数を1.0,スキャン時間を1秒,需要を1000[pcu/hr]とした場合に,同様にそれぞれ飽和交通流率を1400,1600,1800[pcu/G1hr]と変えてシミュレーションを行ったグラフである.グラフから,各ケースとも青現示開始直後から飽和交通流での理論値に沿って流出していく様子が読みとれる.

図24:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図25:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図26:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
次にパケットサイズを変えた場合の,飽和交通流率への影響を調べるため,パケットサイズを3台,乗用車換算係数を1.0,スキャン時間を1秒として,同様のシミュレーションを行った.
図27,図28,図29は需要を600[pcu/hr]として,それぞれ飽和交通流率を1400,1600,1800[pcu/G1hr]に変えてシミュレーションした結果である.パケットが3台なので,1台のケースと比べて階段状の累積線の段差が大きくなっているが,飽和交通流率の理論値に沿って流出していることがわかる.ただし,離散化の誤差が大きくなるのはさけられない.

図27:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図28:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図29:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
図30,図31,図32は需要を800[pcu/hr]として,それぞれ飽和交通流率を1400,1600,1800[pcu/G1hr]に変えてシミュレーションした結果である.パケットが3台なので,1台のケースと比べて階段状の累積線の段差が大きくなっているが,飽和交通流率の理論値に沿って流出していることがわかる.ただし,離散化の誤差が大きくなるのはさけられない.

図30:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図31:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図32:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
図33,図34,図35は需要を1000[pcu/hr]として,それぞれ飽和交通流率を1400,1600,1800[pcu/G1hr]に変えてシミュレーションした結果である.パケットが3台なので,1台のケースと比べて階段状の累積線の段差が大きくなっているが,飽和交通流率の理論値に沿って流出していることがわかる.ただし,離散化の誤差が大きくなるのはさけられない.

図33:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図34:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図35:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
さらにスキャン時間を変えた場合の,飽和交通流率への影響を調べるため,パケットサイズを3台,乗用車換算係数を1.0,スキャン時間を3秒として,同様のシミュレーションを行った.
図36,図37,図38は需要を600[pcu/hr]として,それぞれ飽和交通流率を1400,1600,1800[pcu/G1hr]に変えてシミュレーションした結果である.パケットが3台になったことによる離散化の誤差が大きくなるのはさけられないが,飽和交通流率で流出していることがわかる.また,このケースでは青時間が55秒となっているが,スキャン時間が3秒なので,実際は57秒まで青時間が継続することになる.このため,黄色現示になってから車両が流出しているサイクルも見られる.

図36:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図37:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図38:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
図39,図40,図41は需要を800[pcu/hr]として,同様にそれぞれ飽和交通流率を1400,1600,1800[pcu/G1hr]に変えてシミュレーションした結果である.グラフより,パケットサイズやスキャン時間によらず設定された飽和交通流率が再現されていることがわかる.

図39:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図40:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図41:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
図42,図43,図44は需要を800[pcu/hr]として,同様にそれぞれ飽和交通流率を1400,1600,1800[pcu/G1hr]に変えてシミュレーションした結果である.グラフより,パケットサイズやスキャン時間によらず設定された飽和交通流率が再現されていることがわかる.

図42:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図43:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図44:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,小型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
さらに乗用車換算係数を変えた場合の,飽和交通流率への影響を調べるため,パケットサイズを1〜3台,乗用車換算係数を1.7,スキャン時間を1〜3秒として,同様のシミュレーションを行った結果を,図45〜図71に示す.パケットの離散化誤差が大きくなることをのぞけば,乗用車換算係数を変えたことによる飽和交通流率への影響はないことがわかる.

図45:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図46:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図47:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]

図48:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図49:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図50:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]

図51:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図52:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図53:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット1台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]

図54:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図55:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図56:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]

図57:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図58:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図59:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]

図60:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図61:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図62:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン1秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]

図63:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図64:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図65:リンク下流端累積交通量(需要600[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]

図66:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図67:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図68:リンク下流端累積交通量(需要800[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]

図69:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1400 [pcu/G1hr]

図70:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1600 [pcu/G1hr]

図71:リンク下流端累積交通量(需要1000[pcu/hr],パケット3台,大型車,スキャン3秒)〜飽和交通流率1800 [pcu/G1hr]
ここでは,単路部ボトルネックを先頭とする渋滞が,需要の変動によってどのように延伸,解消するかを,図72のような設定で検証する.表3に詳細なリンクパラメータの設定を示す.

図72:単路部ボトルネックでの検証
表3:渋滞延伸と解消の検証でのリンクパラメータ
|
パラメータ名 |
リンク1〜5 |
ボトルネックリンク |
|
リンク長[m] |
500 |
500 |
|
車線数 |
1 |
1 |
|
本線容量[pcu/hr] |
1800 |
800〜1200 |
|
ジャム密度[pcu/km] |
120 |
120 |
|
自由流速度[km/hr] |
36 |
36 |
|
直進飽和交通流率[pcu/G1hr] |
1800 |
1800 |
現バージョンのSOUND/A-21でのフローモデルは,高速道路版SOUNDと違い,先詰まりしていないことを,リンク上の車両密度がジャム密度以下かどうかで判定している.したがって,これを交通量−密度(Q-K)平面上でプロットすると,図73のような不連続な関係となり,ショックウェーブ速度もこれに従うことになる.

図73:SOUNDのフローモデル状態値のQ-K平面上プロット
ボトルネック容量が800[pcu/hr]の場合は,ショックウェーブ速度は図74のように求められる.この場合,2種類の速度の前進波と,2種類の速度の後進波が発生する.これらのウェーブ波面を時空間上にプロットすると,図75下のような状態遷移図が描ける.それぞれのウェーブがリンク上流端に達する時点を○印で示しているが,それらに対応する時刻に,リンク流入交通量の累積曲線の傾きが変化していることがわかる.これより,仮定している交通流特性から求められるショックウェーブ速度で,渋滞が延伸解消していることがわかる.

図74:ボトルネック容量が800[pcu/hr]でのショックウェーブ伝播速度

図75:ボトルネック容量が800[pcu/hr]での交通状態遷移図とリンク流出交通量累積曲線
ボトルネック容量が1000[pcu/hr]の場合は,ショックウェーブ速度は図76のように求められる.この場合,2種類の速度の前進波と,1種類の速度の後進波が発生する.これらのウェーブ波面を時空間上にプロットすると,図77下のような状態遷移図が描ける.それぞれのウェーブがリンク上流端に達する時点を○印で示しているが,それらに対応する時刻に,リンク流入交通量の累積曲線の傾きが変化していることがわかる.これより,仮定している交通流特性から求められるショックウェーブ速度で,渋滞が延伸解消していることがわかる.

図76:ボトルネック容量が1000[pcu/hr]でのショックウェーブ伝播速度

図77:ボトルネック容量が1000[pcu/hr]での交通状態遷移図とリンク流出交通量累積曲線
ボトルネック容量が1200[pcu/hr]の場合は,ショックウェーブ速度は図78のように求められる.この場合,2種類の速度の前進波と,1種類の速度の後進波が発生する.これらのウェーブ波面を時空間上にプロットすると,図79下のような状態遷移図が描ける.それぞれのウェーブがリンク上流端に達する時点を○印で示しているが,それらに対応する時刻に,リンク流入交通量の累積曲線の傾きが変化していることがわかる.これより,仮定している交通流特性から求められるショックウェーブ速度で,渋滞が延伸解消していることがわかる.

図78:ボトルネック容量が1200[pcu/hr]でのショックウェーブ伝播速度

図79:ボトルネック容量が1200[pcu/hr]での交通状態遷移図とリンク流出交通量累積曲線
ここでは,図80に示す設定に従って合流部での容量がどのように再現されるかどうかを検証する.表4にリンクパラメータの詳細を示す.なお,SOUND/A-21は本来街路網を対象としているため,このような無信号での合流部における渋滞時合流比をパラメータとしていない.モデルロジックでは,合流枝を区別せず,すべて同等に扱っているため,合流比は1:1で固定となる.

図80:合流部の容量検証用データ設定
表4:合流部の容量検証でのリンクパラメータ
|
パラメータ名 |
合流枝a,b |
合流リンク |
|
リンク長[m] |
100 |
100 |
|
車線数 |
1 |
1 |
|
本線容量[pcu/hr] |
1800 |
2200 |
|
ジャム密度[pcu/km] |
120 |
120 |
|
自由流速度[km/hr] |
36 |
36 |
|
直進飽和交通流率[pcu/G1hr] |
1800 |
2200 |
渋滞時の合流比が1:1の場合,各合流枝での渋滞状況は,流体近似モデルでは表5のような結果となる.
表5:需要の設定と合流枝の渋滞状況(渋滞時合流比が1:1の場合)
|
aとbの需要構成比(→) 需要合計(↓) |
0.1 : 0.9 |
0.3 : 0.7 |
0.5 : 0.5 |
|
2000 [pcu/hr] |
渋滞なし |
渋滞なし |
渋滞なし |
|
2500 [pcu/hr] |
bが渋滞 |
bが渋滞 |
両方渋滞 |
図81〜図86は,各設定における合流枝aおよびbからの累積流出交通量をプロットしたものである.渋滞状況を示すため,各合流枝への需要も併記しているが,図81以外は表5に示す結果と合致していることがわかる.
実は図81の設定では,合流枝bへの需要が本線容量と等しくなっている.SOUND/A-21はフローを流体近似しているわけではなく,離散化したパケットで扱っており,フローの容量管理のために,pcu換算した通過台数の実績値(離散値)とリンク容量に制約される通過可能台数(連続値)をスキャンごとに比較している.あるスキャンで合流枝aからの車両とbからの車両が同時に流出する場合,そのスキャンでは1:1合流が達成されるため,各合流枝に振り分けられる容量は,合流区間容量の半分,すなわち1100[pcu/hr]となる.このとき,何もなければリンク容量値で流出するはずの合流枝bの通過実績値は,一時的に通過可能台数を下回り,滞留が発生する.これが解消するためには,次のスキャン以降で一時的にリンク容量を上回って流出しなければならないが,これを認めていないため,合流するごとに通過実績台数が徐々に通過可能台数を下回ることになる.

図81:需要合計2000[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比10%の場合

図82:需要合計2000[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比30%の場合

図83:需要合計2000[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比50%の場合

図84:需要合計2500[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比10%の場合

図85:需要合計2500[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比30%の場合

図86:需要合計2500[pcu/hr],合流枝aからの需要構成比50%の場合
ここでは図87に示す設定で,分流部の容量がどのように達成されるかを検証する.表6に詳細なリンクパラメータを示す.なお,SOUND/A-21では右左折の付加車線を考慮しているので,検証に際しても付加車線(ここでは左側とした)がある場合とない場合の影響についても検証している.
表7にフローを流体近似した場合の,分流部での渋滞状況と達成される容量を示す.いずれかの合流枝への需要が容量を超えると渋滞するが,渋滞中のもう一方へ向かう交通量の比率によって,達成される分流部の容量は異なる.

図87:分流部容量検証の設定
表6:分流部の容量検証でのリンクパラメータ
|
パラメータ名 |
上流リンク |
分流枝a,b |
|
リンク長[m] |
500 |
100 |
|
車線数 |
1 |
1 |
|
付加車線長[m] |
50 |
0 |
|
本線容量[pcu/hr] |
2200 |
900 |
|
ジャム密度[pcu/km] |
120 |
120 |
|
自由流速度[km/hr] |
36 |
36 |
|
直進飽和交通流率[pcu/G1hr] |
2200 |
1800 |
表7:需要の設定と分流部の渋滞状況
|
aとbの需要構成比(→) 需要合計(↓) |
0.1 : 0.9 |
0.3 : 0.7 |
0.5 : 0.5 |
|
1200 [pcu/hr] |
渋滞 1000[pcu/hr] |
渋滞なし |
渋滞なし |
|
2000 [pcu/hr] |
渋滞 1000[pcu/hr] |
渋滞 1286[pcu/hr] |
渋滞 1800[pcu/hr] |
図88,図89,図90は,合計需要が1200[pcu/hr]の場合の,分流部および各分流枝の累積通過交通量である.1時間後の達成値をグラフ右に記入してある.これより表7に示すとおり,図88のケースだけ渋滞し,その他は渋滞していないことがわかる.図88のケースで達成される容量は,流体近似での理論値1000[pcu/hr]に対し,993[pcu/hr]となっている.

図88:需要合計1200[pcu/hr],aへの需要構成比10%の場合

図89:需要合計1200[pcu/hr],aへの需要構成比30%の場合

図90:需要合計1200[pcu/hr],aへの需要構成比50%の場合
図91,図92,図93は,合計需要が2000[pcu/hr]の場合の,分流部および各分流枝の累積通過交通量である.1時間後の達成値をグラフ右に記入してある.これより表7に示すとおり,いずれのケースも渋滞していることがわかる.それぞれのケースで達成される容量は,流体近似での理論値に対し,
|
a,bへの需要構成比 |
流体近似での理論値 |
シミュレーション達成値 |
|
1:9 |
1000 |
1001 |
|
3:7 |
1286 |
1224 |
|
5:5 |
1800 |
1359 |
となっており,特に5:5のケースで理論値を大きく下回っている.
これは5:5のケースでは,各合流枝への需要がリンク容量の900[pcu/hr]と等しくなっていることが原因である.シミュレーションでは各分流枝へ向かう需要を10分単位で与えているが,SOUND/A-21はこれをランダムに並べ替え,一様到着パターンでネットワークに流入させる.このため,短い時間間隔で見ると分流区間に到着する需要のaとbへの構成比は5:5とはならず,一時的に分流枝の容量を超える需要が到着する.ここで発生した滞留が累積し,結果の達成値が流体近似した場合の理論値から乖離していると考えられる.

図91:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比10%の場合

図92:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比30%の場合

図93:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%の場合
図93では到着需要における構成比のばらつきが原因で,シミュレーションでの容量達成値が流体近似した場合の理論値から乖離していると考えられた.これをより詳しく説明するため,いずれも需要合計は2000[pcu/hr]であるが,各分流枝への需要を18秒ごとに5pcuずつ指定した場合(図94)と,1時間ごとに1000pcuずつ指定した場合(図95)を比較する.
時間帯を短く設定した方が,構成比のばらつきが少なく均一流に近づくので,図94では流体近似値の1800[pcu/hr]に近づくと予想したが,これに反して1336[pcu/hr]という達成値になった.SOUNDのスキャン時間は最低1秒で,発生パケット数も正数でなければならないのため,この場合では各分流枝への需要を18秒ごとに5台ずつ発生させるのが最小の時間帯幅であるが,この18秒の間での順序までは指定できないので,完全に均一流にはならないのが原因であろう.
一方,図95では10分ごとに指定するよりもばらつきが大きくなるので,到着需要における均一さのバランスが崩れ,より小さい容量が達成されるものと推測される.これは分流枝aおよびbへの累積流出曲線が完全に一致していないことからもわかる.

図94:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%,18秒ごとの場合

図95:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%,1時間ごとの場合
また,付加車線がある場合の影響について,前節と同様に18秒ごとに需要を設定した場合(図96)と,1時間ごとに設定した場合(図97)を比べている.この場合は,ボトルネック断面となる分流部手前に,各合流枝別にバッファ空間がもうけられていることになり,ここで到着需要が振り分けられる.従って,各合流枝に流入する手前の滞留には,もう一方へ向かう車両が混ざっておらず,上述のような到着パターンによる影響は取り除かれる.実際,図96では流体近似での理論値に近い1795[pcu/hr]の容量が達成されている.
一方,図97では,付加車線がない場合と比べると大きくなっているものの,依然として1588[pcu/hr]と,流体近似の理論値を下回る.これは,到着需要における方面別交通量のバランスが大きく崩れ,付加車線長の50mを越えてどちらかが滞留した場合は,もう一方の流出が阻害されているためである.

図96:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%,一様到着,付加車線ありの場合

図97:需要合計2000[pcu/hr],aへの需要構成比50%,ランダム到着,付加車線ありの場合
ここでは,図98の設定に従い,ギャップアクセプタンスを伴う信号交差点での右折容量が対向直進交通量によってどの程度低下するかを検証した.表9にリンクパラメータの詳細を示す.現バージョンのSOUND/A-21では,交差点内の滞留スペースを表現していないので,ロスタイムにおける捌け交通量を指定できない.このため,ロスタイム(ここでは各方向5秒)においては右折方向の交通のみ進行を許可する設定とし,比較対象となっている交通工学研究会の式の考え方にあわせていることに留意されたい.
なお広域ネットワークを扱う場合,信号パラメータを入手することが困難な現状をふまえて,SOUND/A-21では,信号を明示的に設定せず,飽和交通流率×スプリットとして容量を設定してシミュレーションすることも可能である.この場合は,ギャップアクセプタンスを考慮しない代わりに,右折容量は対向直進交通量によらず一定値となる.従って,あらかじめ対向直進交通量の影響を見込んだ右折容量設定が必要である.

図98:右折容量検証の設定
表9:右折容量の検証でのリンクパラメータ
|
パラメータ名 |
対向直進リンク |
右折リンク |
|
リンク長[m] |
100 |
100 |
|
車線数 |
1 |
1 |
|
付加車線長[m] |
0 |
0 |
|
本線容量[pcu/hr] |
2000 |
2000 |
|
ジャム密度[pcu/km] |
120 |
120 |
|
自由流速度[km/hr] |
36 |
36 |
|
飽和交通流率[pcu/G1hr] |
直進2000 |
右折1800 |
図99,図100,図101はそれぞれ有効青時間が40秒,60秒,80秒の場合の右折交通量を,対向直進交通量に応じてプロット下グラフである.比較の対象として,交通工学研究会の式で求められる右折容量値を併記した.また,対向直進交通需要の容量比(q/c)も図中に示している.この値が1以上であれば過飽和を示し,青時間中はギャップを見つけることができない.
シミュレーション結果はいずれの青時間設定においても,交通工学研究会の式による計算値を若干上回るが,対向直進交通量が増加すると右折容量が低下する傾向は変わらない.またq/cが1を越えると,ロス時間の間に捌ける量しか右折が流れておらず,飽和流の間はギャップを見つけられない状態になっていることがわかる.

図99:サイクル長120秒,有効青40秒の場合の右折容量(一様流)

図100:サイクル長120秒,有効青60秒の場合の右折容量(一様流)

図101:サイクル長120秒,有効青80秒の場合の右折容量(一様流)
ここでは図102に示す単純な1OD2経路の設定において,SOUNDが内包する経路選択モデルがどのように振る舞うかを検証する.表10にリンクパラメータの設定を示す.

図102:1OD2経路のネットワーク設定
表10:経路選択モデルの検証でのリンクパラメータ
|
パラメータ名 |
リンク0,1 |
リンク2 |
リンク3 |
|
リンク長[m] |
1500 |
3000 |
100 |
|
車線数 |
1 |
1 |
1 |
|
付加車線長[m] |
0 |
0 |
0 |
|
本線容量[pcu/hr] |
1800 |
1800 |
900 |
|
ジャム密度[pcu/km] |
120 |
120 |
120 |
|
自由流速度[km/hr] |
36 |
36 |
36 |
|
飽和交通流率[pcu/G1hr] |
1800 |
1800 |
1800 |
表11:経路選択モデルの検証での経路選択モデルパラメータ
|
パラメータ名 |
図105 |
図106 |
図108 |
図109 |
|
一般化費用距離項係数 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
一般化費用時間項係数 |
1 |
1 |
1 |
1 |
|
右左折費用[秒/回] |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
ロジット感度係数 |
∞ |
∞ |
0.1 |
0.01 |
|
リンク旅行時間更新間隔[秒] |
60 |
1 |
1 |
1 |
表11は,各ケースでSOUNDの経路選択モデルを設定したパラメータの値である.SOUNDはロジットモデルによる確率選択モデルを内包しており,その感度を無限大とした場合は最小コスト選択モデルとなる.選択基準となる一般化コストは,経路長[m],平均旅行時間[秒],および右左折ペナルティの線形和としている.平均旅行時間については,現バージョンでは同時刻における経路上のリンク旅行時間の総和となっている.また,リンク旅行時間の更新間隔は任意に設定できる.
図103は動的利用者均衡配分(DUE)を達成する各経路フローパターンをリンク1とリンク2の流入出交通量で図示したものである.この場合は,ドライバーはリンク流入時に自分が実際に経験する,すなわち将来のリンク旅行時間を基準にして経路選択を行うため,コストが等しくなる10分目以降は,どちらの経路も等しく選択する.

図103:DUEの理論値(point-queueとして算出)
一方,図104は動的利用者最適配分(DUO)の理論値を示したものである.この場合,現在の旅行時間を基準に経路を選択するため,選択時の旅行時間と実際に経験する旅行時間にずれが生じる.このため,フローパターンはどちらかの経路に偏ってしまう,いわゆるハンチング現象を呈している.この場合は15分目にリンク1を流出した車両の旅行時間がリンク2の旅行時間と等しくなるので,この瞬間には両経路の選択確率は等しい.しかしながら次の瞬間には,すでにリンク1に滞留していた次の車両が,リンク2の旅行時間よりも長い時間かかってリンク1を流出するため,以降はすべての車両はリンク2を選択する.

図104:DUOの理論値(point-queueとして算出)
シミュレーションでは,指定した時間間隔でのリンク平均旅行時間を経路選択のコストに用いているので,DUOに近い挙動を示すと考えられる.以降ではシミュレーション結果とDUOのフローパターンを比較する.
図105は,旅行時間の更新間隔を1分とした場合の結果である.シミュレーションでもハンチングが見られるが,その間隔はDUOよりも長いものとなっている.これは,リンクのコストを1分間で平均して求めるため,DUOでは15分目からリンク2を選択するところが,1分遅れて16分目からリンク2を選択している.以降も同様に,平均値を求めるための集計時間が影響して,ハンチングするタイミングが遅れる.

図105:最小コスト選択モデルで経路情報更新間隔が1分の場合
そこで,情報更新間隔を1秒として同様のシミュレーションを行った.この場合,旅行時間の集計による遅れは伴わない.毎秒車両が通過するわけではないが,SOUNDでは集計間隔内で車両が通過しなかった場合は,リンク上の先頭車両の旅行時間をリンク旅行時間としている.

図106:最小コスト選択モデルで経路情報更新間隔が1秒の場合
集計による時間遅れがないにもかかわらず,シミュレーション結果がハンチングする時刻はDUOのそれよりも遅れている.SOUNDではリンク流入時に,次に進行するリンクを選択するので,この場合はリンク1と2の分岐点で選択しているのではなく,リンク0の上流端で選択していることになる.このため,コストが同じになる15分目には,すでにリンク0上にリンク1を選択する車両が存在しているため,以降もリンク1の流入交通量が0とならない.また,リンク流出可能車両の待ち行列については,FIFO原則を一部無視しているため,15分目以降は分流している状態となり,分流部での容量に制約される.
SOUNDはロジット型の確率選択モデルを組み込んでいる.図107は経路旅行時間差による選択確率を,感度パラメータごとに分けてプロットしたものである.ここでのシミュレーションでは,もともとリンク1とリンク2の間に300秒の経路旅行時間差があるが,これが小さくなった場合の確率選択の挙動を,感度パラメータが0.1の場合と0.01の場合で比較する.

図107:ロジットモデルの感度パラメータの違いによる選択確率の変化
図108は感度パラメータが0.1の場合である.情報の更新間隔は1秒としている.この場合,経路旅行時間差が約10秒となったとき,1/3の交通量が長い経路を選択するが,感度が比較的敏感であるため,最小コスト選択の場合との際は見られない.

図108:ロジットの感度パラメータが0.1の場合
一方,図109は感度パラメータが0.01の場合である.この場合,経路旅行時間差が100秒になれば,約1/3が長い経路を選択する設定となっており,DUOよりもハンチングが緩やかに起きていることがわかる.

図109:ロジットの感度パラメータが0.01の場合